2011年3月8日火曜日

鏡山城跡の遺跡見学会を開催しました

 当文化財センターでは、国史跡鏡山城跡において、樹木の間伐を行っています。今までは、せっかくの景色や畝状竪堀群などの遺構が樹木に覆われて、不明瞭だったため、県の緊急雇用対策事業として、市教委から委託を受け、昨年10月から5か月の予定で事業を実施してきました。
 環境整備が一段落したことから、3月6日(日)、鏡山城跡で遺跡見学会を開催しました。当日は、あいにく午前中から雨模様でしたが、約180人ものお客様にお越しいただきました。
 通常の遺跡説明に加え、今回の見学会では、広島大学弓道部と西条農業高校弓道部の方々の協力を得て、戦国時代の鎧兜を身に付けての弓矢の発射実験を行いました。狭間(さま)と呼ばれる7寸×3尺2寸:約21cm×96cmの穴を開けたベニヤ板で塀を作り、下から攻めてくる敵を想定して矢を射てもらいました。
 兜の吹き返し部分や、太刀の柄(つか)が邪魔をして、普段通りの動きがとりづらく、的に狙いを定めるのが難しかったようです。それでも、矢が当たると「おーっ」というどよめきが起こっていました。
 
 実験の結果から、矢を射るには比較的大きな狭間が必要なこと、敵が来る位置まで十分に矢が届くことなどが明らかになりました。弓道部員の皆さんも、貴重な体験になったことを喜んでくださいました。
 天気には恵まれませんでしたが、多くの見学者にご参加いただき、関心の高さをうかがうことができました。機会があれば、またこのような実験を企画していきたいと考えております。